まだ梅雨が明けずに急に雨が降ったり止んだりと暗うつな空を仰ぎつつ、梅雨明けの知らせを待ちわびる昨今です。
仕事が終わるのは深夜ですので、ちょっと寄ろうと思っても営業を終えているお店がほとんどです。
そんな中、仕事終わりの深夜営業をしているファミレスは非常に便利だったのですが、外食の新たな消費動向に対応し深夜営業が廃止となってしまいました。
平日だと空いていてとっても静かで、考え事をしたい時や静かに読書をしたい時など、よく利用させて頂いていました。残念ですが、時代の流れ、しょうがない事です。
梅雨の時期は無性に重たい恋愛小説を読みたくなります。小説って自分の記憶を思い出させる役割もあると思います。 そして「あの時私はどうだっただろう」とふと思い出すようなことが小説のひとつの醍醐味のような気がします。
恋愛小説にありがちな、二人に障害があって最終的に上手くいく恋を描いてるのがほとんどですが、しかし、成就して結 ばれてからが本当の恋愛。今回読んだ本はそこからなんです。“今でも呼吸するように思い出す“というような回想で物語が進んでいきます。
小説の中にある感情は、どこかで体験したことがあるはず。上手くいかない恋愛に対してヤキモキしたりとか、好きになってはいけない人とわかってはいても、 あの人、素敵だなと思う気持ちとか。そしてほとんどの恋愛が上手くいかない。その男と女のどうしようもなさ。でも恋愛をするとき感情は出すべきなのかもしれない。それは、もう、みっともないくらいに。
終盤では2人の世界の陶酔っぷりにやや嫌悪感を抱いてみたり。
この人で良かったと本当に確定ができるのは、もっと時間が経った後の話で消え去っていくものにいつまでも執着し、そこから抜け出られないとしたら不幸だけど、身を切る苦しみに耐えた後、純粋に愛したという幸福な恋の形ができ始めて…時が哀しく過ぎ去っていくことで、何かがそこに残されていく、小説の余韻。面白かった〜