蜩ノ記

ヒマな時間ができたときこそが
じぶんの人生そのものだと聞いたことがあります。

今日もすでに日は傾き、山の端が茜色に染まり林や道は黄昏始めています。

分単位でスケジュールが決まっているような忙しい人間ではありませんが、それでもそこそこの年齢になると自分の時間を捻出するのはなかなか難しく、塾、習い事の送り迎え、今日現在は子供の夏休みの宿題に取り組んでいます。

今回の読書感想文として高学年向けに

蜩ノ記 葉室麟

をすすめました。

自分の子供の頃はテレビでも盛んに時代劇が放送されていて、「三匹が斬る」や「遠山の金さん」「暴れん坊将軍」が好きでよく観ていましたが、平成産まれの子にこの時代の話をしても関心はありません。

「小説って何?」と子供に問われても、私ははっきりとした答えを持っていません。読んだあとに、「これが小説だ!」としか思えない作品は確かに存在します。そのなかでも、「この世に生まれた人間がいかに生きていくか」という根源的な問いに答えようとしている作品に対して、そのような感情を持つことが多いような気がします。

どんな小説があってもかまわないし、そのバリエーションは多種多様にあります。しかし、小説のひとつの役割として、 「いかに生きるか」というテーマに、若い時に触れてみるのもいいですね。

おせっかいと言われても
おすすめします。

蜩ノ記 葉室麟